感染症の予防や、清潔で健康を保つ重要な手洗いを、子どもが習慣としてできるようになるにはどうしたらいいんでしょうか?
ご家庭で子どもの手洗い、嫌がったりちゃんと洗えなかったりしていませんか?
今回は、幼児期の手の洗い方や手洗いを習慣にするしつけの工夫についてご紹介します。
目次
幼児が手洗いを嫌がる時の対処法
家の中や子どもが遊ぶ公園などでは、目に見えないたくさんの菌が付いています。
菌は目に見えないので、知らず知らずのうちに菌をもち込んだり、広げたりすることが考えられます。
手洗いは、感染経路を遮断するためにとても大切なんです。
幼児が自分で手洗い出来るように踏み台を使って
子どもが踏み台やステップを使って手が届くようしてあげたり、
泡になって出てくるハンドソープを使って泡の感触で手を洗うことが好きになるかもしれません。
手を拭くタオルを届く位置に用意してあげて、自分でできるような環境を整えてあげてください。
「自分で手を洗いたい」という子どもにピッタリの方法です。
「抱っこしてもらわずに自分で出来た!」
その自分で「できた」という経験が、これからも自分で手を洗うという気持ちにさせてくれます。
子供の手洗いはいつから始めるの?
赤ちゃんとお散歩したら、帰ってきたときに濡れタオルで手を拭いてあげましょう。
「きれいになっったね」と、声をかけながら拭いてあげることがポイントです。
まだよくわからないかもしれませんが、くり返していくことで、
「帰ってきたら手をきれいにする」「きれいになって気持ちいい」ことが赤ちゃんに伝わります。
立てるようになったら一緒に手を洗いましょう
上手に立てるようになったら、帰宅後は洗面所へ行くようにしましょう。
お母さんが後ろから、子どもの手に石けんをつけて一緒に手を洗いましょう。
この段階での問題は、子どもが水が出るのが面白くて水遊びをしだします。
手洗いだけですまないところが、子育ての難しいところですね・・・。
そんな時は、少し離れてかわいい後姿を見て心を落ち着かせてみてはどうでしょうか?
こんな時期も長くは続きません。気長にいきましょう!
手洗いを習慣にする幼児の しつけ
手洗いが習慣になるのが目標ですが、しつけといったら大げさなので、お母さんも手洗いを子どもと楽しんでみましょう。
年齢にもよりますが、子どもは本当に賢くて、
大人が手を洗い出すと、じっとこちらの手の洗い方を見て真似をします。
子供が真似をしだしたら声に出して
「おててゴシゴシしよう。反対側も。指の間も。手首も」と手洗いの順序を言いながら、ゆっくりめに洗います。
1つ1つの動作を子どもが見て真似るのを確認してから次の動作へ、時間がある時にはしてみましょう。
そして、終わったらほめてあげます!
私も感じたことですが、ご家庭によって、叱られてちゃんとできる子どももいます。
それはすばらしい事ですが、子供はほめられると笑顔になります。
笑顔が手を洗う習慣につながればいいなと思いました。
手洗いを保育園と家庭で続ければ「手を洗う習慣」が3歳後半にはできています。
正しい手の洗い方
まず手を水でぬらしましょう
石鹸を手にとって、泡立てます。
手の甲 指の間もきれいに洗いましょう。
親指も忘れずに
手のひらも、指の先が大事です。
手首の周りをクルクルと忘れずに洗います。
しっかり 流水で洗ってしっかり拭きましょう。
水と石鹸で30秒間手を洗うのが最も効果的です。さらに除菌ジェルを使えば、手からの細菌感染はほとんど防げます。
上手に手洗いをすれば、風邪、呼吸器のウイルス感染、胃腸炎、下痢、MRSA、皮膚への感染症などが予防できます。
もちろん家族全員の手洗いが重要なんです。
きらきら星の替え歌で楽しく手洗いしましょう
きらきら星を歌うのに約30秒かかります。
この歌を歌いながらすると、30秒手洗いが出来るので
きれいに洗えます。
きらきら星の替え歌
手のひら 洗おう
手のこう 洗おう
指の間と
親指 洗おう
手首も 洗い
よく 流しましょう
子供の大好きな絵本で手洗いの習慣を
家庭で子どもに手洗いの習慣をつけさせる「絵本」は役立ちますか?
という質問に「はい」と9割の親が答えています。
お母さんよりもキャラクターが言う方が効果があります。
絵本を読むと、子どもは自分でやってみたいと思うんですね。
普段から読んでいる絵本で手洗いを知っていれば、手を洗う事に抵抗がなくなります。
おすすめ絵本
てをあらおう
作・絵:いしかわまさゆき
講談社
手の洗い方を教えてくれる絵本。どうして手を洗うのか、手を洗わないとどんなばい菌が体に入るのかを、わかりやすく教えてくれる一冊です。
手を消毒 アルコールを使いましょう
アルコール消毒と手洗いでは、どっちが効果的?
結論からいうと、アルコール消毒のほうが優れた消毒効果を発揮することがわかっています。
アルコール消毒剤と石けんでの手洗いとで30秒間の手指消毒効果を比較したところ、
石けんでの手洗いでは手に付着した菌の減少が約1/60から1/600だったのに対して、アルコール消毒剤では1/3000にまで減少したのです。
もちろん、石けんでの手洗いでも、きちんとした方法と手順で行えば感染対策として問題はありません。
しかし、石けんでの手洗いで手に付着した菌を十分に減らすには、30秒以上時間をかける必要があり、
実際には、毎回30秒かけてしっかり洗っている人はほとんどいません。
アルコール消毒の場合は、短時間で手に付いている菌を確実に減らすことができるので、
手洗いより高い予防効果が期待できます。
また、手が荒れていると細菌の温床になって、感染症を招くこともありますが、
市販のアルコール消毒液には保湿剤が入っていて、石けんでの手洗いよりも手荒れを起こしにくいのです。
アルコール消毒は手洗いよりも手軽なので消毒をする回数を増やしてみてはいかがでしょうか?
今では、病院で手洗いよりもアルコール消毒がすすめられています。
ただし、ウイルスや細菌の中にはアルコール消毒による殺菌が期待できないものもあるので、
一番いいのは石けんでの手洗いとアルコール消毒を両方行う事です。
終わりに
きちんと手を洗ったつもりでも、「指先」「指の間」「手首」は、汚れが残っていることが多いです。
子どもの手洗いでは、石けんやハンドソープをよく泡立てて洗いましょう。
特に小さなお子さんは、指先を口に入れてしまいがちです。指先までしっかり洗って、汚れやバイ菌をきちんと落としましょう。
今回ご紹介した「替え歌」や「絵本」を使って上手な手洗いをしてみてくださいね。