アナフィラキシーは、短時間で全身アレルギー症状が出る反応です。
アナフィラキシーショックはいつ、どんな時に起こるかわかりません。
アナフィラキシーってどんな意味なのか、
どんな原因で起こるのか、
アナフィラキシーショックとの違いなど
今回は、アナフィラキシーの特徴、症状や原因を詳しくご紹介します。
目次
アナフィラキシーってどんな意味?
アナフィラキシーは、アレルゲンや症状のあらわれ方はいろいろです。
ハチの毒アレルギー、食物アレルギー、薬物アレルギーなどがきっかけで発症します。
アナフィラキシーは、症状が急激にあらわれるので、即時型アレルギーに分類されています。
花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息等も即時型アレルギーに入ります。
アレルギー症状があらわれる部位は、鼻や気管支など、病気によって決まっていますが
それに対して、アナフィラキシーの場合は全身にアレルギー症状があらわれるのが特徴です。
アナフィラキシーが起こる仕組み
アレルギーの原因となる物質のことをアレルゲン(抗原)と呼びます。
アレルゲンが体の中に入ると、体の中でそのアレルゲンに対するIgE抗体が作られます。
このIgE抗体は、肥満細胞や好塩基球という細胞の表面につきます。
その後に同じアレルゲンがまた体の中に入ってくると、そのアレルゲンが肥満細胞や好塩基球上の
IgE抗体とくっついて、抗原抗体反応が起こります。
この結果、アナフィラキシーの症状が引き起こされると言う事です。
アナフィラキシーの原因ってなに?
即時型アレルギーを起こす食物すべてにアナフィラキシーを起こす可能性があります。
その原因として一番多いのは鶏卵です。
鶏卵アレルギーは食物アレルギー全体の約3分の1を占めていて軽症から重症まで含めた人数が一番多く、
アナフィラキシーを起こした人の中でも鶏卵アレルギーが一番多いです。
ピーナッツやそばは、即時型アレルギーを起こす人数は食物アレルギー全体の数%ですが、
鶏卵と比べると重症のアナフィラキシーを起こす人の割合が多いです。
同じ食物でアナフィラキシーを起こす場合も個人差が大きく、
加工品をちょっとしか食べてないのにアナフィラキシーショックを起こす人もいれば、たくさん食べたときにだけ症状を起こす人もいます。
食べ物以外にも蜂、天然ゴムのラテックス、薬のアレルギーや運動などが原因の場合もあります。
特に運動の場合には「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」といって、
原因の食物を食べてから運動をした時にだけアナフィラキシーが起こる場合があります。
この場合は食べただけや運動しただけでは症状がないので、最初にアナフィラキシーを起こして初めて食物アレルギーに気づくことになります。
即時型アレルギーってなに?
食物アレルギーの症状は、その食品を食べた後に症状が現れるまでの時間の長さで、即時型と非即時型とに分けられます。
即時型アレルギー
即時型アレルギーの一番多い症状は“じんましん”です。
原因の食物を食べてから、数分くらいで顔から次第に全身に広がります。
じんましんの他に、喘鳴、咳、鼻汁や、下痢、腹痛、嘔吐などの症状が現れます。
アナフィラキシーは、食べた後15から30分くらいのうちにおきる“多臓器のアレルギー症状です。
また血圧低下、頻脈、チアノーゼ、顔面蒼白、のような循環障害が見られる場合を
アナフィラキシーショックといってすぐに処置をしなければ命の危険があります。
そばアレルギーのアナフィラキシーが有名ですが、エビ、カニ、セロリ、小麦などでもおこります。
「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という、食事の後、運動をした場合に起こることがあります。
症状が軽い時には、気がつかない事もあるので、運動時に普段より調子が悪いと思ったら、食べ物も見直す必要があります。
もし、原因食物を食べてしまった場合は、食後2から4時間は運動を控えるようにしてください。
非即時型アレルギー
非即時型は、原因の食物を食べてから時間がたってから症状がでてきます。
症状がでるまで1日から2日以上かかる場合もあります。
非即時型アレルギーの症状は、下痢、血便、体重増加不良、便秘や、アトピー性皮膚炎の悪化、むくみがでる湿疹、など症状がでます。
食後時間がたってから症状が現れるので、食物と関係があるのかを証明することが難しいです。
一般に、即時型アレルギーの方が非即時型アレルギーに比べて強い症状がみられます。
アナフィラキシー とアナフィラキシーショックの違いはなに?
アナフィラキシー
アレルギー反応によって急速に、皮膚、呼吸器、消化器など複数の臓器に全身性の症状が出る状態の事を言います。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーの症状のうち、ショック状態(血圧低下、意識障害などが起こり命に危険がある状態)の
ことです。
食物アレルギーで起こる症状の中で一番重症なものがアナフィラキシーです。
アレルギーの症状には皮膚や粘膜系、呼吸器系、循環器系、消化器系、神経系の症状があります。
それぞれの臓器では軽いものから重いものまでいろいろな症状があります。
アナフィラキシーとはこれらのうちで2つ以上の重い症状が同時に起こったものを言います。
例えば、全身のじんましんと喘鳴が起こったときや、
繰り返し吐きながら、動悸がするときなどがアナフィラキシーになります。
さらに血圧が下がって、意識がもうろうとした症状の時はアナフィラキシーショックといって
起こったら早く適切な処置や治療をしないと生命に危険があります。
アナフィラキシーショックのことを「アナフィラキシー」と省略して呼ぶこともあります。
喘鳴とは
呼吸時に出るぜいぜい・ひゅうひゅうという音のこと。
アナフィラキシーにかかった時の症状と発症する時間
アナフィラキシーにかかった症状
皮膚の症状 じんましん、赤み、かゆみなど
呼吸器の症状 くしゃみ、せき、ぜいぜい、息苦しさ
循環器の症状 血圧低下
これらの症状が複数の臓器にわたり全身にはやくあらわれるのが、アナフィラキシーの特徴です。
発症までの時間
アナフィラキシー反応はアレルゲンが体の中の肥満細胞や好塩基球のところまで到達するまでなので
症状のでる時間が違ってきます。
例えば、ハチに刺された時のように、皮膚からハチ毒のアレルゲンが入ったときには、
早ければハチに刺された後、数分から15分以内には症状がでてきます。
それに対して、食物の場合は口から食べて胃や腸で消化・吸収されてからアレルゲンになるため、
食後30分~1時間くらいはかかります。
アナフィラキシーの原因の多い順番は?
食べ物 > 蜂などの昆虫 > 薬物
重篤な症状までの平均時間は、食べ物は30分、蜂の毒は15分、薬物は5分と言われています。
終わりに
アナフィラキシーを起こさないためには、
アレルゲンとなっているものが分かっていれば、原因物質を避けることが大切です。
食品の場合は、加工調理した食品にアレルゲンとなるものが含まれている可能性があります。
加工食品の場合は原材料をよく確認して子どもや乳幼児に与えましょう。