食中毒の菌は加熱で全滅するのでしょうか。
そんな疑問が起きました。
また冷蔵庫に食材を入れておけば大丈夫なのか。
冷蔵庫の食中毒防止の注意点
食中毒を予防する調理する時の注意なども詳しくご紹介します。
目次
食中毒の菌は加熱で全滅するの?
食中毒の一番簡単な予防法は「加熱調理」と言われていますが、加熱調理済みの食品であっても食中毒は起こります。
その代表の一つに、ウェルシュ菌食中毒があります。
ウェルシュ菌とは?
芽胞(がほう)を形成する性質を持つため熱に強く加熱調理によって完全に死滅しないことがあります。
芽胞(がほう)とは?
増殖環境が悪化すると生き延びるために形成される種子 の事です。
細菌の細胞はまわりの環境がその細菌ガ育つのに不利な状況になると死んでしまうのですが、ある種の細菌は乾燥、高温などの環境条件が悪くなると芽胞とよばれる耐久器官をつくり生き延びていきます。
食中毒の原因となる菌は熱に弱いものがほとんどですが、ウェルシュ菌は煮沸を1時間以上行っても死滅しないという特徴があります。
そのため、加熱処理をした食品であっても、常温で放置しておけばウェルシュ菌が増えていきます。
また、ウェルシュ菌には酸素を嫌う性質があり、空気のあるところでは増えないという性質があります。
時間をかけて底の深い鍋で煮込むスープやカレーなどは、中心部の酸素が少なくなりやすいため、増殖するには絶好の環境になります。
ウェルシュ菌食中毒を防ぐにはどうしたらいいの?
他の菌と違って、加熱による予防はできないので、増殖を防ぐためにも、調理済みの食品を何日も常温で置いておくのはやめましょう。
- 肉類の調理に特に注意し、調理後に冷却する場合はすぐに行いましょう。
- 前日の作り置きはできるだけ避け、加熱調理したものは早めに食べましょう。
- 室温で放置しないようにしましょう。
- カレーやスープなどは、調理時に必ずよくかきまぜましょう。
- カレーやスープなどを保存するときは、なるべく底の浅い容器で小分けにしましょう。
- 保存は冷蔵庫で行い、食べる前に再度加熱しましょう。
- ビンなどの密閉容器は空気に触れない環境をつくるので、使用の際は十分に注意しましょう。
感染を防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。
食中毒を防ぐには冷蔵庫を過信したらダメ?
冷蔵庫に入れているから大丈夫でしょ?
いいえ、そうではないんです。
じつは、冷蔵庫の中はカビが発生しやすい場所。
たとえよく冷やしていても、カビやO-157などの細菌はじっとしているだけで、死なないんです・・・。
冷蔵庫の食中毒防止の注意点
・詰めすぎない
冷蔵庫内に物を入れすぎると、冷気がスムーズに流れず、設定温度にならない場合があります。
スペースの7割程度までしましょう。
・頻繁にドアを開閉しない
ドアの開け閉めは、冷気を逃がし冷蔵庫内の温度を上げる原因になります。
できるだけドアの開閉の回数は少なく、全開は避け、開けている時間も短くしましょう。
よく使うものはまとめて取り出しやすい場所に置くなどの工夫をしてください。
・庫内は清潔に保つ
庫内だけでなくドアや
取っ手も定期的にふき掃除と消毒をしましょう。
・冷凍庫内は食材をすきまなく
冷蔵庫は詰め過ぎ厳禁ですが、冷凍庫は逆に詰め込んだ方が効率がよくなります。
冷凍した食品がお互いに保冷の役目を果たすからです。
・冷凍食品は使う分だけ出して常温解凍は避けましょう
解凍は冷蔵庫か、電子レンジを使いましょう。
室温解凍では食中毒菌が増える恐れがあります。
また、普段から規則正しい生活を心がけて、食中毒菌に対する抵抗力をつけておくのが大切です。
体調不良の時は、生ものを避けたほうがいいですね。
食中毒を防ぐ 冷蔵庫の温度は何度?
生鮮食料品についた食中毒菌の繁殖を防ぐためには冷蔵室は10℃以下、冷凍室は-15℃以下です。
食中毒予防 調理する時の注意
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」です。
調理器具の殺菌
細菌に汚染された魚や肉を食べて起きる食中毒を「一次汚染」といいます。
それに対して、これらの魚、肉などを調理した包丁やまな板等の器具から、他の食品に細菌が付着することを「二次汚染」といいます。
食中毒は、この「二次汚染」によって多く発生します。
そのため、調理器具の殺菌や使い分けがとても大事です。
肉などを焼くの場合には、生の肉をつかむお箸と焼けた肉をつかむお箸は別のものにしましょう。
また生の肉や魚を切った包丁やまな板で、サラダなど生のままで食べるための野菜を切るのは絶対にやめましょう。
ふきん・タオルなどの消毒
40度ぐらいのお湯で中性洗剤を使いよく洗いましょう。
すすぎも十分に行なってください。
清潔な場所で乾燥してください。
塩素系の漂白剤につけて消毒できます。
すすぎは十分に行なってください。
手に菌が多い? 食中毒に注意
食中毒は食材に細菌が繁殖して起こると思われがちですが・・・
人の手が原因で食中毒になることもあるんです。
人の手には無数の細菌が生息しています。
ご存知ですか?
オフィスの中で一番細菌が多い場所は
パソコンのキーボードなんです・・・。
手指の消毒の仕方
調理をする前、食事の前には薬用石けんを使用すれば十分です。
水で手をぬらしてから石けんをつけ十分に泡立てて、手の甲・平のほか指の間・指先もていねいにこすり洗いましょう。(30秒ぐらい)
流水で十分に洗い流します。(20秒ぐらい)
調理する人は指輪をしないほうが安全です。
指輪の裏は不衛生になりやすいです。
家庭で病人の介護をしているような方は、医療用の逆性石けんとエタノールの配合された消毒剤を使用しましょう。
薬局で販売されています。(ウエルパスなど)
食中毒の原因 ブドウ球菌とは?
この菌による食中毒症状は、菌によるものではなく、菌が増殖するときに産生されたエンテロトキシンという耐熱性の毒素によるものです。
菌が調理する人の手から食品に取り込まれ、汚染された食品のなかで菌が増殖して毒素が産生され、この毒素を食品といっしょに食べることで発症します。
黄色ブドウ球菌
もともとは人間の体の中にある菌です。
食中毒の原因として忘れてならないのが、「黄色ブドウ球菌」。
ブドウ球菌は、私たち人間の体の中に存在している菌の一種です。
ニキビや吹き出物、水虫などの皮膚の炎症の原因でもあります。
これらが食品に付着し、食品の中で菌が増殖してしまうと、人間にとって有害な毒素を発生させてしまうのです。
ブドウ球菌による食中毒を防ぐためには、手指に傷のあるときには料理は休みましょう。
食品やキッチン用具にも直接触らないことが大切です。
どうしても料理をしなくてはいけないときには、ゴム手袋を使いましょう。
自分でも知らないうちに手指にブドウ球菌が付いている可能性があります。
調理の前には常に手洗いを習慣づけましょう。
また、作った料理はなるべく早く食べきりましょう。
時間が経ってブドウ球菌が繁殖してしまったら再加熱しても殺菌することはできません。
黄色ブドウ球菌は冷蔵温度(10度以下)では、
毒素を作り出せませんので冷蔵保存が有効です。
どんな症状が出るの?
平均すると3時間程度の潜伏期間のあと、急に吐き気やおう吐、腹痛といった胃腸炎に似た症状です。
ほとんどの場合、症状は比較的軽く、1~2日で治ります。
終わりに
今回は加熱しても死なないウェルシュ菌 をご紹介しましたがほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。
一般的には、75度で1分間以上の加熱で殺菌されます。
電子レンジを使う料理の場合も同じです。
食品の中心部にまで75度の熱が伝わった状態で、1分以上加熱出来ていれば大丈夫です。
そのため、熱の伝わりにくいものは、時々かき混ぜるようにしましょう。